樋口:彼がやったのはコンクリートバラック。バラックだけど情緒はあってね。入り口に、世界中いってたから色んな鈴があってね、僕なんかがいってもカランカランっていってならすの。はいどうぞーって、ちょっと素敵でしょ。
芦澤:その吉坂先生の家も半外部的なお家だったんですか?
樋口:下がピロティ。コルビジェの影響を受けていますから。屋上庭園、自分がいるところ、ピロティ、大地は万人のもの。自分たちは人工土地に住む。一階はみんなで使おう、二階は少し親しい人と自分たちの居間、三階はプライベートにしようと。屋上は見晴台。コンクリートとコンクリートブロックのバラックだよね、大変なの、雨が漏れてね。
芦澤:ふふふ。
樋口:これは北海道のワークショップです。マイナス30度の中で、ものをつくろう。北海道行ったときから5年ぐらいやります。この時ね、すごく重要なのは身体、身体っていうか、身体が最も大切な空間であるっていうこと。身体のことを少し知ろうよっていう、体がマイナス30度で感じること。中身が何を感じてどう稼働してるのか、エンジンがどうなってるか、身体の中でね。こうやってみんなで作るんだけど、一辺50mぐらいあったかな、イランの方にキャラバンサライってあるじゃない。あれをまねして。雪でもブロック作って積むから、土と一緒なのね構造は。だから、同じことができる、ドームとかボールトとか。
芦澤:どれぐらいの大きさなんですか?それって。
樋口:さっきのが、一辺が50mぐらいあるからね、多い日は延べ100人ぐらいがみんなで働いてるんだよね。色んな人が色んなことをやるの。これは、絶対につくらないといけないもので、BAR。
芦澤:あはは。
樋口:これかっこいいでしょ。ここで酒を飲む。ね、やっぱ豊かに生きないと。東京や大阪でできないことをやらないとさ。
芦澤:ですね
樋口:ほら、美しいでしょ、ここでマティニーなんかを飲むわけだ。ちょっとすかしてウォッカマティニーなんかをさ。
芦澤:あはは。
樋口:温泉もある、これは友人に崎野君っていう馬鹿なやつがいてね、湖の上まで温泉をもっていってどうしても入るっていって。これできるまで4年もかかるの。1年目はね、温泉をバケツリレーしてやってね、氷が溶けてみんなで落っこちゃう。
会場:(笑)
樋口:2年目はね、これはだめだっていってプラスチックの桶にする。それだけど、持ってくるパイプがね、ビニールでしたから、それが全部熱で沈んで落っこちちゃう、
芦澤:あはは。
樋口:3年目にさ、猿でも知恵を働かせてさ、パイプを浮かすの、脚立みたいにね。最後にできるんだけど、僕たちはありがたいことに、彼がもう上手くいったときにやってきたから、この温泉入れた。
平沼:あはは。
樋口:これは溶けゆく様、かっこいいでしょ? アジアの建築、日本の建築もそうだけど、崩れる、腐る、それから壊れるっていうのは、最大の、僕達の、日本の文化の最も優れたところだよね。
この後ワークショップいっぱいあるんだけど、時間がないからまた見てね。
会場:(笑)
樋口:次は保育所。こういう廃材の山から、保育所一個つくろう。これは実際にみんなで作った、自力建設、プロ5人と学生達とわれわれ。これは子供の地鎮祭、いいでしょ。子供もできる日干しレンガ。犬、犬はなんでいるの?
会場:(笑) |