平沼:ありがとうございます。折角会場に川崎先生にお越し頂いてますから、ご質問頂いても…だめですか。

北川原:質問ではなくてお説教。(笑)

平沼:いやいや、御一言いただけたら…すみません。

川崎:北川原さんとは、ずいぶん昔、東京館のときから。それから長野県コンペ、あの時には僕と金子郁容とかがあなたのを選んで。僕が今日ちょっとビックリしたことは、フォンタナとそれから長谷川等伯がでてきて、日本語でいうところの「革新」ってありますよね。「革新」っていうのは、革を引っ張っておいて刃物を入れるっていう日本的な抗議が彼らにあって、それが出てきたんで、あの時のコンペで他の偉い建築家の先生に廊下で睨まれながらも選んでおいて良かったなぁと、そう思ってます。

北川原:ありがとうございます。

平沼:ありがとうございます。
最後の質問で、皆さんに聞いていて、月並みな質問なんですけど、どんな職業ですかね。

北川原:難しいなぁ。設計の組織で一番日本で大きいのって日建設計とかですよね。NTTとかなんかにはもっと沢山いるかもしれないけど、設計の組織としてはね。でも、日建設計は確か株式公開してない、だから上場もしない。つまり、どんなに働いても絶対儲からない職業。

平沼:(笑)

北川原:だから、本当に好きでないとできない仕事ですかね。かみさんからも言われますけどね。

平沼:生まれ変わったら…やられますか。

北川原:いや僕ね、小っちゃい時は天文学者になりたいんだとかね、そういう感じだったんですよ。だけど建築やるようになってから思ったのは、詩人になりたいなと。詩人に一挙になるのは無理だと思ったんで、その前にね、子供の頃に実はピアノを、下手糞なんだけど、高校時代は軽音楽部でジャズとかやっていたんで、まずは音楽をちょっとやりたいなーと。小学生の時に諦めたピアノをもう一回やって、ブラームスとかちょっと40歳になったら絶対やろうと思ってたの。ところがやらなくて、それで50歳になったら詩を書こうと思ったけど、結局それもできてない。だけどね、生まれ変わったら絶対詩人ですね。ランボーとかボードレールとかね、やっぱり、かっこいいよ。

芦澤:今からやられたら、まだまだ…

一同:(笑)

北川原:大学を引退したらやれたらいいよね。

平沼;今日は本当にありがとうございました。

芦澤:ありがとうございました

北川原:どうも、ありがとうございました。

会場拍手

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