原 :昨日うちのスタッフの中園君がね、平沼君にさっき話したけど、彼は僕と50年違うって言う。僕はね、デザインとかそういう事に関しては丹下先生が基本的な先生だけど、その先生と25年くらい違うね。丹下先生は物凄い年寄りで、偉そうに見えて。偉いんだけども。(笑) そしたら、中園君に、西洋の建築家と比較する事はできないのかって言われて、僕はコルビジュエと50年差で、中園君は100年差だって。だから驚くべき歳をとったわけよ。自己紹介の時に話すことだったんだけど。(笑)

平沼、芦澤:ははは。(笑)

原 :今日の中で一番重要なテーマじゃないかって思うんだけども、モードチェンジに絡めて言うけど、さっき話した僕の高校の先生、その数学の先生は今88歳でね、私が78。ものすごい元気でさ、「お前ら少なくとも88くらいまでこういう風に元気でいかないと駄目だぞー」ってハッパかけられちゃったんだよ。高校の音楽の先生の娘さんが僕の同級生で、聞いたらね、「今106歳で、半分眠っておりますけれども、103歳まで一人で生きていました」って言っていて。

平沼、芦澤:素晴らしいです。

原 :これは考え方を直さないといけないんじゃないかと思った。というのはね、一昨年くらいに僕は病気で、脳とか動脈瘤とか胃がんとかヘルニアとか、もうキリがないくらい色んなものがあったんだけども、流石に入院したりして一年間くらいで治って、今はタバコもお酒も飲むようになったっていう。

平沼、芦澤:(笑)

原 :一時期全部やめていたんですけどね。死にそうだって言われると、その瞬間に止められます。

平沼:(大笑)

原 :飲んだら死んじゃうって言われたらさ、飲まないよ絶対。

会場:(大笑)

原 :そんな事は問題じゃないんですが、いかに医療が発達したか、ということが重要で。結論としてね、つまり、すごく長生きする。人間は死ななくなった、っていうのは大袈裟だけれども、そのくらいになるんですよ。僕のお袋は、90歳まで生きてくれて、比較的長く生きた。だけど今90歳なんて当たり前。とにかく寿命が延びた。つまり、人生60年とかさ、70年とか言っていた訳なんだけれども、僕の先生達は10歳くらい年上なんだけれどもみんなピンピンしてる。今の若い人達、あなた達は120歳くらいに考えといたらいい。例えば60歳定年だっていうのが半分なわけですよ?

平沼:ふふふ。

原 :それはどういう社会なのか。本当に真剣に考えた方が良いし、もう少し問題になるのは、今まで人間は比較的平等だって言っていたでしょ。そういう論もあったけれど、120歳になるとね、お金を持っていないと死んじゃう。

芦澤:あー、ははは。うん。(笑)

平沼:あー、そうですねー。(笑)

原 :医療を受けられないとね、やっぱり無理だと思う。僕みたいに、ダボダボっと医学で助けてくれるわけですよ。だから、時間はある。

会場:(笑)

平沼:分かりました。(笑)

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