芦澤:決してここには、コンビニとか想定されない訳ですよね。

山本:コンビニはね、一応想定はしたんですが、どうもコンビニは良くないなと思っていて、自前の店を壊しちゃう。

芦澤:地域で生産して循環できるってことですよね。

山本:大阪はそういう伝統がありますよね。たこ焼きとか、つくられ始めていって、それが全国に波及していった訳ですよね。だから大阪はそういういい加減なとこがある店がいっぱいあるので、これ絶対いいんじゃないかと思うんですよね。

平沼:ピッタリだ。

芦澤:(笑)

山本:同時にですね、どうやって運営されるか。さっきの「Sグループ」ですね。5人から7人でサニタリーとかキッチンを共有します。それから「Sグループ」×6ですね。30人から45人で太陽光発電とか太陽熱利用の装置を持つようにします。それで「Lグループ」っていうのは、「Mグループ」×4、と120が150人位。「コジェネ」って言うのは、発電機です。発電機はガスの発電機とかオイルとか色々あるんですけども、そのコジェネで発電して、その熱をスパとかランドリーとかで使います。各家にも供給できます。発電機っていうのは熱が必ず出るんですよね。その熱を同時に利用しないと有効利用ができないんです。あとレンタル収納とか、キッチンとか。「Lグループ」×4で、500に。これコンビニって書いてありますけれども、コンビニって言っても、介護・託児スペースだとか、医療のための生活相談デスク。これでお医者さんとか介護士とか看護師とかそういう人たちが同時にこのコンビニと一緒に進めていて、いつでも相談のれるような介護のためのスペースも一緒につくろうと。というのが全体でコンビニみたいな形ですね。グロスネット比、レンタブル比も今までと違ってすごい悪い。専用面積がすごく少ないけども共有部分が多いってのがつらかったですね。値段を計算したんですが、1キューブが大体15uぐらいですね。その一番ちっちゃいのは34,400円。2つ借りて、52,000円。これが家賃というのはですね、1キューブかける800円。それプラス16,000円は共用部利用費。6,400円かけるキューブ数。これは専有面積かける800円プラス1,600円とキューブ数。全体の面積を計算すると、今の34,000円とか52,000円とか71,000円の家賃になる。他と比べると、これはネットカフェにずっと泊まり込んだ場合ですね。1ヶ月大体60,000円ぐらい。

平沼:結構かかりますね。

山本:横浜のドヤ街で大体66,000円。この地域社会圏だと1キューブで34,400円で結構安い。ワンルームマンションだと6万から7万円ぐらい。これだとトイレとかシャワーとかついてるので結構安いでしょ?

平沼:いけます、いけます。

山本:同時に、ここで仕事が発生するんですよ。みんなそれぞれ仕事をもっているのと、働きたい人は、さっきの生活ステーション、コンビニとかありましたけど、いろんな介護とか保育とか環境、お掃除、それからその全体の家賃とかそういうマネージメントするようなそういうアルバイトが時給800円でできます。

平沼:住んでいますからね。

山本:住んでいるのでそこで働いてお金がもらえる。横浜国大に介護の先生がいらして、その人に手伝ってもらったんですけど、日本の社会保障費は国家予算のほぼ半分です。安倍内閣がこれをどんどん削ろうとしている。サービスの質を落としてとにかくこのお金を削ろうとしているんですよね。ほっとくと50%から60%にどんどんなっていっちゃう。高齢化率がすごい高いですからね。これはですねピンクのとこが生活援助。生活援助ってのは、ベッドメイキングしたりとか買い物に行ってあげたりとか。身体介護っていうのはプロじゃないとできないです。介護システムっていうのは二つに分かれているけど、一体となって介護士が全部やっている。そうじゃなくて、ピンクのところは一緒に住んでいる人たちがやったらどうかって。時給700円、800円ですから、介護士に対しては時給をもっとあげて、プロフェッショナルなところだけをやってもらう提案ですね。
これは熱エネルギーです。例えば、原子力発電所の福島と東京との距離が220、30キロ離れているんですよね。そこでエネルギーを生産すると40%くらいしか電気にならないんです。その40%も送電ロスで5%なくなっちゃうんです。200何十キロも離れているとね。自分のとこで熱を利用する。電気をつくると熱が出るので、ほとんど90%ぐらい有効利用できるんです。だからいかに熱を利用すると得か。原子力発電所は冷やしているんですね。熱を捨てないで、一緒に使うことが発電する時に非常に有効なんですよね。原子力発電所を例えば東京や大阪の真ん中にもってくることはできないよね、そんな勇気ないよね。だから原子力発電所がいかに無駄かってことですよね。どのくらい得するかと言うと、電気だと3割減、それからガスは7割減で済みます。それからCO2の発生量は4割減。いいことだらけですよね。身近で発電することがいかに重要か。コミュニティウィークルっていう、三輪車で、近くのスーパーマーケットで大根とトイレットペーパー5パックを買って子供二人で帰って来れるような電気自動車ですね。こうやって建物の上までのぼってっちゃうようなインフラも一緒に考えましょうと。そうすると高齢者でも、のぼっていけますよ。日産自動車と一緒にいろいろ話を聞いてつくったんですけど。6分の1ぐらい。ちょっと急すぎますけどね。10分の1ぐらいにしたらいいんじゃないのと言われましたけどね。電動の自動車はこういうとこを簡単に登れます。上は、こんなふうに誰でも入って来れるような広場的なお店が並んでいる場所になるってことですね。周辺の人たちに対しても、これが出来るとお店がいっぱいありますし、広場もあるし、かなり周りの人たちにも貢献する。プロジェクトの重要なとこです。こういう5分の1の模型をつくったんですね。これはムービーですけど。ハウスビジョンの展覧会で5分の1の模型をつくって、終わったら置くところがなくて壊しちゃったんですけど。

平沼:もったいない。

芦澤:ほんとうですか。

山本:これはさっきのいろんな商売ですね。自分の持ち物を貸しますよーとか、庭でつくったものでレストランやりますよとか。

平沼:模型をつくる学生だったり、スタッフが楽しそうですよね。リアリティありますね。

山本:そう模型は学生たちがつくりました。これはすごくリアルです。奥はムービーが動いています。これは、アニメーションをつくっている人に頼んで、ずっと続いているような感じにしました。

芦澤:非常に面白くてですね、今までは東京一極集中で、地域だとか地方だとかっていうのが、どうしても優劣的には下に見られたり、あるいは、東京で働くために地域で住んだりっていうそういう構造があったと思うんです。地域が自立していく単位というか、そういう物語にすごい共感するんですけど、実際にこういうシステムを既にいろんな行政にご提案されていらっしゃるんでしょうか。

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