平沼:いや、1200平米くらいありますよ。

田根:使っていない部分も含めると、そうですね。地下2階まであって、ここは模型をいろいろ置けるスペースになっています。

芦澤:プロジェクトごとにスペースが分かれているとかではないのですか?

田根:そうですね。ここはプロジェクトで作った模型を並べておいて、また片付けてということを繰り返しながらやっています。

芦澤:模型の量すごくないですか?

田根:そうなんですよね。

芦澤:結構泣く泣く処分されていたりしますか?

田根:そうですね。模型はどうしたら良いかいつも悩みますよね。模型は大事なんですけども、全部持っておくわけにはいかないので、しまったり、捨てたりいろいろですね。地下2階に下りていくと、材料が置いてあったりします。倉庫の整理をしなければと言いながらずっとこんな感じです。でももう、あと2、3週間で引っ越しをする予定なので、ちょうど片付けているところです。これがほぼ最後の、平沼さんが撮ってくださったドキュメンタリーですね。ありがとうございます。

平沼:とんでもないです。

芦澤:結構模型を作られる際もいろんなマテリアルを使うんですね。

田根:実は、昨年の展覧会を去年やった時に、模型をあんまり真面目に作るのは意味が無いのではないかと思い始めたんです。図面を書いてそれを模型にすると、想定内のものしか生まれない。模型の意味には、もう少し可能性がありそうだと最近思って、模型に対しての考え方が少し変わってきましたね。

平沼:まあでも洞窟みたいでしたね。

田根:ははは。

芦澤:すごいですね。24時間営業とかですか?

田根:いや、そんなことないです。きちんとその日のうちに帰ろうと言っています。ここは工房で、木工だったりができます。

平沼:なんでも作れますね。モックアップも作れますもんね。

田根:はい。モックアップだったり、一部棚を作ったりとかしていますね。

芦澤:デジタルファブリケーション的なものも導入されていらっしゃるんですか?

田根:レーザーカッターだけありますけれども、3Dプリンターはあんまり面白くないので基本手で作っています。

芦澤:信用していない感じですね。確かにデータを送ったらそのまま出てきてしまいますもんね。

田根:そうだよね、という感じのものしか出来ないので、手で作ってみて、そこから発想が始まるようなものこそ模型の良さかなと思っています。

平沼:パリの、もう何区か分からない所にあるのかなと思っていたら、なんとオペラ座から15分。

田根:そうですね。そのくらいの距離ですね。

平沼:すごく良いところでびっくりします。でも玄関がないんですよ。

芦澤:え。

一同:ははは。

平沼:田根さんのお席はどこですかと聞いたら、シャッターをがらんと開けた入口にいるんです。

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