安藤:私は子どもの頃からずっと成績がよくなかったものですから、「勉強はそこそこでいいから、自分に責任を持って生きろ」と、育ててくれた祖母がよく言っていました。「自分に責任」です。安定した就職を目指せとか、生活の基盤をつくれとか、偉くなれとか、お金儲けてこいとか、そういうのは全く無い。まぁ、そんなことは、ひとつもお前にはないんだから、とにかく頑張れと、言ってましたね。(笑) 人に責任を擦り付けることなく、自分に責任持って生きれば、それ以上言うことは無いと、よく言い聞かせてくれていました。だから、ここに居られる職業を持つ半数くらいの人へ。建築界にはいろいろ職業はあるわけです。建材メーカーや組織設計、ゼネコンやデベロッパーで勤められる方たち。文化部で建築を書かれる新聞記者の方もおられます。サラリーマンだからという方もおられますが、その分たしかに、組織や会社が責任をもってくれます。でも仕事は人生時間の大半を費やすものですね。そして人生の責任は、会社は担ってくれません。それぞれの職業、自分の職業を誇りに思い、大切にしてほしいと思うのです。そして大切にするためには、どういう目標と日常を過ごせばいいのかを自分で考えてほしい。 建築家とは、ただ、自分に責任を持つ職業だと思います。皆さんどうか、人生をがんばって活かしてください。

平沼:貴重なメッセージをいただけて、ありがとうございます。

司会:ここで安藤先生から、明日のXmasイブにむけて、プレゼントをご用意いただきましたー!本日のご講演中にスケッチをされた、スケッチ・ボードを7名様に、そして最後に、1冊、安藤忠雄建築大型本を一冊1名様に、入場時お配りしました番号を、これより、安藤先生に選んでいただきます。皆さま、番号表をお手元に出して、当選されました方は、檀上まで、どうぞお上がりください。

   抽選ボックスの準備はよろしいですか? 当選されました方は、連続でお呼びいたしますので、檀上向かって左側に、お呼びいたしました順に、お並びください。それでは安藤先生、よろしくお願いいたします。 まず「神戸の住吉」のスケッチは、●●番の方、どうぞ檀上までお越しください。続いて、「大阪の住吉の長屋」のスケッチは、●●番の方、おられますか? どうぞ檀上までお越しください。そして、21_21サイトのスケッチは、●●番の方、お願いします。さあ、そして「直島」です。●●番の方は、どうぞお越しください。そして、「ニューヨークのペントハウス」は、●●番の方、どうぞお願いします。そして進行中のプロジェクト、パリの「ブルス・コメルス」は、●●番の方、どうぞお越しください。そして最後になりました! 私たちの大阪、「中之島・子供図書館」は、●●番の方どうぞ、お願いします。それでは、安藤先生より、直接、お渡しいただけましたら幸いです。

   すみません、会場内の撮影、録画は、どうかお控えください。

おめでとうございます。お受け取りをされましたら、どうぞそのまま、ご降壇ください。
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