高松: 3本立ての学生生活の2つ目は、 学生結婚をしてい たので、子育てをしていました (笑)。アルバイトでブルドーザーの運転をしながら、子育てをしたというのが2本目です。

平沼:いまの学生の方たちには、考えられないようなことでしょうが、この時に産まれたお嬢さんが、僕たちと同級生の樹ちゃんですね!

高松:そうですね(笑)。今日、会場に来てくれていると思います。
そして3本目はですね、やはり なんとか勉強して、設計で成果を出し たいという事で 、卒業設計を遮二無二やっていました。
まぁこの当時、これはもう先見の明だと未だに自負していますが、医療都市と銘打ったプロジェクトを卒業設計でやろうとした訳です。この写真は模型ですね。そしてこれは図面です。当時は コンピュータ・グラフィックスがないものですから、やは り全てを自らの 手でつくっていました 。

平沼:このくっきりとした奥行きのある断面パースなども、当然、手描きですよね?

高松:はい。そういう時代でしたね。これはロットリングという道具を使って 描くんですが、1本2000円くらいでした 。その当時バイト料が、1日一生懸命働いて700円くらいじゃなかったかな。だけどこ れがまた、すぐに 折れるんですよね。ドイツ生まれのロットリングという会社なんですが、学生の僕たちにとても劣悪な商売をするわけです。(笑)

平沼:(笑)ははは。

高松:そしてペン先が乾くものですから、こう、 舐めながら描く。今だったら、コンピューターで2日くらいあれば書けますが、当時は10日間ほど費やしてひたすら描き続ける 訳です。 ロットリングのペンを、そうですね、 10本以上は無駄にします。

平沼:僕たちの世代くらいが、CADへの変換期だったといわれていますが、
学生時代には、この製図・筆記具にも憧れを持っていたように覚えています。

高松:そうでしたね。そして模型ですね。 当時 、非常に手に入りにくいバルサという木材を使って造る んですが、これがまた高い。(笑)

会場:(大笑)

高松:この写真の模型は、だいたい畳2帖くらいの大きさです。当時、住んでいたのが六畳一間のアパートですから、部屋の3分の1を模型が占領する訳ですね。

この図面 を元にうちのスタッフがCGアニメーションを 描いてくれました。映像出るかな?

(映像・BGM)

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