2 1 7[ nie - ichi - nana ] 第43回 日 時 : 2016年 12月 22日 PM 7:00〜 会 場 : 大阪・梅田 グランフロント大阪 ナレッジシアター
平沼:安藤さん、あらためましてどうぞよろしくお願いします。
安藤:はい、こちらこそどうぞよろしくお願いします。 それにしても、若い人がこんなにいっぱい、どこから来てるのかな?。
平沼:多くは僕たちと一緒の「カス」ばっかりの大阪の人たちです。
会場:(大笑)
芦澤:わはは。(笑)
安藤:(笑)ほぉ。外国人の方もいるみたいですが、業種はどうなんですか、建築関係者の方たちが多いですか?
会場:(挙手)
安藤:なるほど、そしたら建築の話しをしないとね。 私はね、大阪生まれの大阪育ちとさっき話していましたが、あっちこっちで建築をつくってきました。たとえば直島は30年程前に、当時ベネッセの社長だった福武總一郎さんから依頼を受けました。初めて直島を訪れ、敷地を見た時は、正直、何の可能性も感じませんでした。離島という最悪の立地で、目に入るのははげ山のみ。(笑) 直島に行くには、まず岡山の宇野という所へ行きます。宇野から船に乗って、直島に20分くらいかけて行くんですけども、初めて行った時は、これは自分の人生みたいなもんやなぁと思いましたね。つまりまぁ、絶望的だと、思いましたよ。(笑)
会場:(笑)
安藤:「安藤さんならこの場所を何とかできる」と福武さんが言うから視に行ったんですけど、まぁ、不便でしょ。大阪からでも、ものすごい時間かかるから「こんな離島に美術館をつくっても誰も来ませんよ。」と言うたんですが、福武さんは「絶対に来る」と。やっぱり、物事を成し遂げるのは、クライアントの思いの強さです。福武さんには、「絶対に出来る」という信念があった。 さきほど話した住吉の長屋にしても「絶対に出来る」と思ったように、ベネッセの福武さんは絶対に出来ると信じて疑わなかった。。その思いが通じて、直島は、世界中の人々が訪れる芸術の島となりました。今、宿泊者の半分くらいが外国人です。でもやっぱり、遠いことに変わりはない。。 例えば私の事務所に連絡が来ます。外国人が来た時に「直島に行きたい」と。私は「やめとけ」と言います。電車で岡山まで行くんですよ?岡山からまた電車に乗って、宇野まで行ったら今度はまた船に乗せられて。「これはあかん」と思っていましたが、それでも福武さんは諦めなかった。だからこそ、うまくいったんですね。
平沼:今では日本の、建築文化の巡礼地のような「聖地」となりました!
安藤:そうですね。。
平沼:今日の会場にいる、特に若い人たちの多くは、直島を訪れたことがあると思います。