平沼:古谷さん、本日はどうぞよろしくお願いします。
古谷:こちらこそ、よろしくお願いします。
芦澤:よろしくお願いします。
平沼:簡単に自己紹介をしていただいてもいいですか?
古谷:はい。古谷誠章と申します。先ほどプロフィールの紹介をしてくれた茅野市民館についてですが、実は僕はコンペが好きで、これまでいろんなコンペに応募してきたんですけれども、生まれて初めて当選したコンペがほぼ同時に二つあって、そのうちの一つが茅野市民館です。それより3週間ほど早かったのが中里村新庁舎です。その前もその後もプロポーザルやコンペには落ちまくり、落ちても落ちてもやりたいタイプのようです。そのきっかけを想い返してみると、学生の頃の1979年に、ジェームズ・スターリングが審査員の新建築コンペで、僕を含む世界で5人が同時に一等、それ以外は入選が無くて後は佳作っていう年がありました。僕はその時からコンペ好きが始まっちゃったのかなと思っています。
平沼:コンペで幾度となく挑戦をされていて、「へこたれそう」になられたことはないですか?
古谷:「へこたれそうに」じゃなくて「へこたれます」。(笑)
会場:(笑)
古谷:だけど意外に根がポジティブなようなので、落ちた時は、あ〜審査員がよくなかったのかなぁ?なんていうふうに思うようにします。
芦澤:今まで幾つくらいのコンペを挑戦されたのですか?
平沼:それは、ものすごい数がありますよね?
古谷:うんうん、多分すごい数ですよね。
数えたことはないんですが、作品集を先日つくったのですけが、作品数が179個ありました。でも、そのうちのほとんどは落選した案でしたからね。(笑)
平沼・芦澤:アハハ。(笑)
古谷:その作品集は、カタログみたいに落選案も全て掲載されています、そのうち落選案が100個に近い数になっているんじゃないですかね。
平沼:なるほどです。それだけ挑戦された提案数の上に、今日、話してくださる作品があるというわけですね。そしてこの開催は、ゲストでご登壇していただく建築家のみなさんが、そもそも、どうやって建築に興味を持たれて、志を持たれたのかを、聴講にきてくださった方たちと一緒にお聞きすることからはじめさせてください。
さっそくですが、少年期の様子をお伺いしてもよいですか? |