司会：それでは早速に、本日のゲスト建築家のご紹介をさせていただきます。
建築家の山下保博 様。1960年鹿児島県奄美大島生まれ。芝浦工業大学大学院修了後、91年にアトリエ・天工人を設立。2004年に世界の新人建築家の登竜門  ar+d賞グランプリ、釜山自然博物館  国際設計競技1等、アメリカのLEAF Awards では2013年に、３部門の最優秀賞を受賞。2014年に「バウンダリー・ハウス」で日本建築家協会賞や2015年のARCASIA賞など、多くの建築賞を受賞されています。また、1995年の阪神淡路大震災からNPO法人にて復興を支援。2014年より「みんなの家」の理事として東日本大震災や熊本地震の支援を行い、2013年に地域素材利活用協会を設立。様々な地域の素材や構法を再編集することにより、街づくりに発展させる地域支援活動をおこなわれています。
それでは、山下さんにご登場いただきます。皆さん、大きな拍手でお迎えください。

司会：こんばんは！本日はよろしくお願いします。

山下：すごいですね、暗記したのですか？（笑）

司会：はい！がんばりました。（笑）　本日はよろしくお願いいたします。それではここからの進行はモデレーターの二人にお任せします。

平沼：はい。僕はさきほど初めてご挨拶をさせていただいたのですが、芦澤さんとの交友はもう長いですか。

山下：そうですね。

芦澤：はい。それほど多くはありませんが、10年ほど前から何度かお会いしています。

山下：おそらく3、4回ほどでしょうか。でも毎回、芦澤さんって怖そうな印象ですよね。

平沼：あっ、怖そう！

芦澤：いやいやいやいや。

山下：アハハ。（笑）　すてきな風貌です。

平沼：山下さん、簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか。

山下：はい。僕は奄美大島という小さな島から活動を始めています。それでも節目ごとに大阪とは縁がありました。皆さんご存知かもしれませんが、今年の3月26日より、LCCのバニラ・エアが大阪から奄美まで直行便が飛びましたね。　ご存知の方は会場にいらっしゃいますか？　知っている方は挙手！（笑）　結構いらっしゃいますね。あっ、泉さん！アハハ。奄美ご出身の方が会場にいらしています。奄美は、世界遺産にほぼ決定し、来年には認定されそうです。だから大阪の多くの方も、ぜひ奄美にお越しください。

平沼：はい！ぜひ伺います。

芦澤：奄美は、島全体で世界遺産が認定されたのでしょうか？

山下：そうですね。海ではなく山側の奄美と徳之島と沖縄北部の三箇所が、世界自然遺産登録候補になっています。おそらく来年の夏、8月には確実に認定されていると思います。

平沼：なるほど。ここ大阪は文化遺産となる自然や文化財がありません。そのため建築も候補と言えるものも見当たりません。

山下：大阪は「人」が世界遺産ではないでしょうか。だから大阪に文化遺産はなくてもいいのではないでしょうか。大阪人は世界に類を見ないと思います。

平沼：さすがですね。会場の皆さん含め大いに励まされます。（笑）

芦澤：大阪のおばちゃんとかね。（笑）

山下：あはは、絶対に世界遺産だなぁと思います。（笑）

平沼：奄美ではどんな少年時代を過ごされていましたか？

山下：奄美は皆さんがイメージした通りの海に囲まれた島国で、沖縄本島を除き、日本の中で2番目に大きな島、離島です。実はこれは意外と知られていません。ちなみに佐渡島が一番大きな離島となります。人口は本島で8万人ほど、全体で12、3万人だと言われています。島の北部でも海に行き来しやすく、豊かな自然を育む山もあります。自然に囲まれた生活が当たり前のような状態なので、自然の中で生きていたような感じですね。

平沼：なるほどですね…。小中高時代まで奄美ですか。