質問者2:ありがとうございました。

平沼:ハッとさせられる質問でしたが、香山先生のさすがのご回答に癒されてしまいました。
香山先生、いよいよ最後の質問になりますが、香山先生が60年培われた「建築家とは」どんな職業ですか?

香山:今日のおふたりの質問の中で、だいたい良いところのポイントは言わされたと思います(笑)。 繰り返しになる部分もありますが、さらに言えば、建築家は形を表現する。しかし形という物を作る仕事は他に、いっぱいあります。絵描きもそうだし、彫刻家もいる。でも僕たちの形とは何か。その中に人間がいるということです。その中には人間が一人いるのではなくて、人間が複数いる。ということは、建築家は人の関係をつくるのが仕事です。

今日もここにこういう空間がある。多くの方がサポートし、この二人がリードして、僕たちはここに集まる。こういう関係ができるということでしょう。具体的にここが、そういう形です。

音楽や演劇など、いろんな分野が人を繋いでいますが、日常の全ての人を、常に何らかの形で影響を与え続けるものは、建築以上のものは他にない。それは言い換えれば建築はそれだけ僕たちの人間の環境と関係を具体的につくり上げている力を持つものなんですね。建築を目指すのはとても大変だけども、それだけに面白く、大切なものであって、建築を目指そうということは、それだけやりがいのある仕事だと思います。

AAF:香山先生、貴重なお話しをいただきましたのに、たいへん申し訳ありません。お時間一杯となってしまいました。本日はどうもありがとうございました。

芦澤:ありがとうございました。

平沼:ほんとうに楽しかったです。香山先生、ありがとうございました。

香山:平沼さんや芦澤さん、私たちのような建築家が議論を交わす、これだけのレクチュアシリーズの開催は、東京でもそうですが、他にはありませんね。おふたりの問いかけも刺激的だし適切で、聴講の方たちの反応がよい。活気にあふれています。ぜひ大切になさって継続してください。私も応援します。本日は皆さん、ありがとうございました。

会場:(大拍手)




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