平沼:高松先生は早くから海外へ出られ、ドイツに事務所をつくられて、欧州での設計活動の拠点もつくられていました。そして近年では、アジアの拠点として京都ともうひとつ、台湾での設計拠点をもたれています。日本と比べてどんな違いがありますか?

高松:台湾はもう十数年になりますが、基本的にそれほど違いはありません 。台湾以外の国でも幾つか進行中ですが、 一つ言える事は、日本と比べてどの国も元気です。そういう 意味では 、日本はもっともっと 色々なチャンスを、特に 若い建築家たちに、開いていって欲しい と思っています。

平沼:ありがとうございます。

高松:これは、台湾の地図です。今の所、進行中のも含めて70近い仕事をこれまでやってきております 。台湾というのはそれほど大きくなくて、九州と同じくらいなんですね。 九州にそれぐらいの建物を散りばめると 割とみんな近くなってしまって、あまり 台湾の人たちにとって 刺激的な物にはなりにくい。そして、 台北市はほぼ 大阪市と同じです。プロジェクトの殆ど が台北市に集中しているので 、こういう分布になりますから、もう少し 造れば、もう少し知って頂ける かもしれない。台湾では特にマンションの仕事が7割くらいですが、 ディベロッパーは マンションを売らずに建築家を売ります 。建築家をまず売って、その建築家が 設計しているということで、マンションが 売れれば良いなと いう戦略を採り ます。

平沼: 台北で高松先生の大きな姿絵を見させていただきました!(笑)

高松:とんでもない宣伝に使われますので、 自分の姿が ビルに懸かっているのを 見てびっくりします。
模型も巨大な ものを 作ります。そしてギャラリーを設置して 建築家の展覧会をやる訳 ですね。そして契約の 時には必ず呼ばれます。そして台北市内 では いきなりバスに自分の顔を見つけてしまって、街の隅に隠れることもあります。(笑)

会場:(大笑)

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