2 1 7[ nie - ichi - nana ] vol.5

日 時: 2011年 3月 11日 PM 7:00〜
会 場: ライティング・コア(大光電機 本社ショウルーム)

コメンテーター : 芦澤竜一 平沼孝啓
ゲストスピーカー: SPACESPACE(香川貴範、伊藤立平、岸上純子)


司会:

お待たせいたしました。これより2010年度、第5回目の217を始めたいと思います。

平沼: こんばんは。今日、お昼に起こった宮城県三陸沖地震ですが、M8.4がM8.8に訂正されて、僕も大阪にいるので分からないんですけど、関東から大阪に帰ってこられない方や、今日参加してくださる予定だった方で来られなくなってしまった方もいらっしゃる中で開催させてもらうので、慎ましやかにやろうと思っています。ただ、僕たちにとっては今日が今年度最後の217になるので、盛り上げて良い会にしたいとも思っています。
僕たちが建築を設計させてもらうとき、安全というのは最低限クリアした上で、僕も芦澤さんも、おそらく今日のゲストのSPACESPACEさんも、建築に対するプロセスであったり、建築の新しい空間性を探っていこうと、努力しているつもりです。
聞くところによると、大光電機さんの東北支店が半壊状態だということも聞いているので、今日は安全に対する内容も含めながら、この後開催させてもらいたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
芦澤: では、今日のテーマは「安全」で。
217では今年一年間、関西の若手の方をお招きしてやらせてもらってきて、最終回が一番大物ということでSPACESPACEさんをお呼びしています。今回はじっくりと、それこそ平沼さんが言っているように、こういう状況の中でも来てくださった皆さんにとって興味深いお話ができればと思っています。
では、SPACESPACEさん、どうぞ、拍手でお迎えください。(拍手)
平沼: こんばんは。
岸上: こんばんは。
平沼: 僕、実は伊藤さんは今日初めてお会いして、香川さんは前回の打ち合わせで初めてお会いしたのですが、一番若い岸上さんとは2、3回会ったことがあって、まだ学生の頃でしたよね?
岸上: はい、そうですね。
平沼: 僕も学生でしたか?
岸上: いや、違います。(笑)
平沼: どういう経緯で一緒のユニットになったんですか?
香川: 単純な経緯ではないんですけど、もともとは僕と伊藤が大学の同級生でした。研究室は違うんですけど、僕は東工大の塚本研で、伊藤は仙田満さんという、子供の遊び場などを研究している先生の研究室でした。大学は東京なんですけど、就職で大阪に来まして、会社に在籍しながらだったのですが、大学の同期でこちらに来ていた伊藤と、実施コンペなど、会社で出来ない活動を外でやろうかということで、あまり大きな声では言えないのですが、会社にいながら場所を借りて、コンペやちょっとした活動をするようなことをしていました。卒業したのが2000年で、それを2002年くらいから始めたんですけど、2006年くらいまで続けて、その後独立して、岸上は僕の会社の後輩だったんですけど、岸上が加わって、そのままずるずる続けているという感じです。
平沼: 勤められていた某会社(笑)は、大阪で一緒だったのですか。
伊藤: 香川は2006年に会社を辞めて事務所を設立して、僕が2008年から加わったというかたちです。
平沼: ちょっと質問してもいいですか。名前の由来は何ですか。
香川: あんまり聞かれても困るんですけど。(笑)
一番初めにやった活動が邑楽町のコンペで、山本理顕さんが最優秀賞で、その後訴訟になったものですが、それを出そうと言って出したら、最終審査に残って、名前をつけて事務所のようにしておかないと相手にされないだろうということで急遽つけました。そのときにも色々案は出ていましたが、現時点での建築の考えを名前にしてしまうと、そこから動かしづらくなるだろうということで、あまり意味のない言葉がいいだろうと思っていました。それで、パソコンのスペースバーってあるじゃないですか。空白という意味なのですが、それを3回続けて、昔はSPACESPACESPACEだったのですが、長かったので途中でSPACESPACEに変わりました。(笑)
平沼: なるほど。邑楽町のコンペは僕も出していて、1次で落選してしまったんですけど、SPACESPACEという名前が最終選考に残っていたのは知っています。最終的には山本理顕さんがとられたんですけど、そのときはいかがでしたか。理顕さん相手に、同列でいけると思っていましたか。
香川: 行く前まではいけると勘違いしていましたが、やってみて気づいたと言うか。藤本壮介さんなど、いろいろな方が最終に残っていましたが、山本理顕さんだけ別格と言うか、そういう状況だったので勝てるはずもなく・・・。
平沼: では、それが独立のきっかけになっているんですね。香川さんは大阪生まれですか。
香川: 僕は生まれは大阪です。育ちはほとんど富山ですが。
平沼: 何で建築をやろうと思ったんですか。
香川: 忘れました。(笑)高校は、普通に富山の進学校だったんですけど、受験したときは建築学科しか受けなかったので、当時は建築をやろうと思っていたんでしょうけど。その当時、理系の中にもいろいろあったと思うのですが、その中でイメージできる職業で、かつ医者や弁護士というのはあまりポジティブな印象を持てなかったので、その中でポジティブな印象をもった建築というものを何となく始めたという感じだったと思います。
芦澤: 建築家になろうと思っていましたか。
香川: 建築家という職業があるのは知らなかったです。建物をつくる職業だとは思っていましたが。
平沼: 伊藤さん、どうですか。
伊藤: 僕は最初は漫画家になろうと思っていたのですが(笑)、進学校に行っていて、家庭教師の影響で理系に行ってしまったので、折衷案で建築家をめざそうかなと一瞬思いましたけど、ひょっとしたら向いていないかもと思って、土木や物理とも迷ったのですが、気づいたら意匠系の研究室にいたんです。(笑)
平沼: 岸上さんはきっと、ちょっとややこしいですよね。
岸上: 私は、もともと建築をやろうと思ったのは結構早かったんですよ。中学校のときに美術の授業で建築の絵を描かされたときに、美術の先生がたくさん雑誌を持ってこられて、それを見ていたときに楽しいなぁと思って、よく分からないけど何となく建築をやりたいなと思っていました。それが、なぜか間違って大学は土木学科に入ってしまって(笑)、その頃は公園をつくりたいなと思って土木学科に入ったのですが、入ったら橋や道路しかなくて何か違うと思って、もう一度建築学科に入り直したという経緯です。
平沼: この217の第一回目のゲストがdot architectsさんだったのですが、「超並列」と言って作家活動をされていて、それぞれに役割がない状態で、またそれぞれに活動をしていて、それをフラットにしていくという展開をしているユニットだったのですが、SPACESPACEさんはそれぞれの役割はないんですか。ヒエラルキーはちゃんとあるんですか。
香川: 役割と言うのは分からないんですが、僕は組織には階層が必要だと思っているので、ある仕事をやるときは誰かが担当してその上で責任を明確にしてやらないと、仕事はうまくいかないと思っています。
dot architectsはよく知っているんですが、ポーズとしてやっているので、それはそれでありなのかなとも思いますが、僕らは組織論を建築にしようということはあんまりないです。
平沼: じゃあひとつのユニットになっていて、そのプロジェクトごとにリーダーが決まっていくというようなやり方ですか。
香川: 最近はそうしています。
芦澤: 大体、リーダーは誰かに偏るといったことはないんですか。俺がやりたくてしょうがない、というようなこととか。(笑)
香川: あんまりないですね。
伊藤: 香川くんが結構・・・
芦澤: 頭とりたがりますか?(笑)
伊藤: というのもありますし、やっぱり人がやっていることにコメントをしてくるので、結局議論に巻き込まれて、ということはあります。(笑)
平沼: 僕の記憶間違えでなかったら、芦澤さん、最初ユニットじゃなかったですか。
芦澤: 初めは・・・はい。
平沼: あれは、何か悪いことがあったんですか。
芦澤: いいこともあったけど、悪いことも多かったですね、いろんな意味で。(笑)
香川: それはありますね。そういう意味ではそんなに組織はフラットには進まないと僕は思っています。

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