2 1 7[ nie - ichi - nana ] vol.2

日 時: 2010年 9月 17日 PM 7:00〜
会 場: ライティング・コア(大光電機 本社ショウルーム)

ゲスト: 山崎亮(studio-L)
対 談: 芦澤竜一 平沼孝啓


芦澤:

芦澤です。ようこそおいでくださいました。平沼さんも自己紹介を一言お願いします。

平沼:
平沼です。
芦澤:

今日のゲストは山崎亮さんです。よろしくお願いします。(拍手)
山崎さんについては、僕から経歴をお話させていただきます。僕と平沼さんは71年生まれなんですが、山崎さんは73年の愛知県生まれ、大阪府立大学大学院農学部を出られて、それからエス・イー・エヌ環境計画室にお勤めになられて、2005年に独立されて、studio-Lというスタジオを主宰されています。
最初に、山崎さんはランドスケープデザイナーなんですか?ということを聞いてみたいと思います。ランドスケープデザイナーという肩書きの他、コミュニティデザイナーという肩書きも聞いたことがあって、得体がよく分からないけど、やっていることはすごく面白そう、というお方です。建築に対しても非常に関わることが多いので、今日は建築からランドスケープ、社会的なことも含めて、いろいろお話を伺いたいと思っています。
大学でもいろいろ教えられていて、京都造形芸術大学、京都市立芸大、大阪工業大学、武庫川女子大学、いっぱいありすぎですね。(笑)7校くらいで教えられているのと、ひょうご震災記念 21世紀研究機構の主任研究員であり、東大の博士課程にも行かれていて、非常に多忙な中、今日は来ていただきました。ありがとうございます。

今回は非常にイレギュラーなやり方をしていまして、山崎さんから全プロジェクトのスライドを我々が預かって、最初は平沼さんと二人で話し合ってまとめようとしたんですけど、まとめきれないので、僕の独断と偏見でプロジェクトを抜粋して、聞きたい話を聞いてみようと思っています。(笑)
まずは山崎さんとは何ぞやという話を、プロジェクトの話を通して洗い出してみようというのが前半です。
後半には、前半での話をふまえて、ディスカッションができればいいなぁと思っております。
では、スタートします。

平沼:
まず、いいですか。何で「studio-L」という名前だったのですか。
芦澤:
「亮」ではないんですね。(笑)
山崎:
「亮」ではないです。「亮」だったら「R」ですね。(笑)
「studio-L」の「L」は、Lifeです。僕らはランドスケープだからLにしようと思っていたし、最近はランドスケープだからLですよねって最初に言ってくれる人がいて、時間がないときは、ええそうですと答えているのですが(笑)、本当はライフ、つまり生活や人生というものを大切にしたいと思っています。風景のことをいろいろ考えていくと、ランドスケープができあがるのは、そこに住んで生きている人たちの生活が結果的に出てきてしまう。どうしようもなく出てきてしまうのが風景だと思うので、ランドスケープに関わる人間として、基本的にはライフというのが大切なものだろうと思っています。
あとは、僕が好きな19世紀の美術の批評家で、ジョン・ラスキンという人が、やっぱり同じようにライフがすごく重要だと言っていたんですね。他人のライフ、生活に幸福感を与えることができる人生を送ったことがある人間はすごく幸せだ、みたいなことを言っているので、そういう生き方をしたいなと思ってLにしました。
平沼:
僕も前までは「Hs Workshop-ASIA」という変な名前を付けていました。建築家の磯崎新さんに聞いたことがあるんですけど、磯崎アトリエという名前で、例えば大光電機さんにカタログをくださいと言ったらお金をとられるという話を聞いたことがあったんです。芦澤さんみたいに、芦澤竜一建築設計事務所ってつけていると、無料でもらえるんです。僕は「Hs Workshop-ASIAです」と言ったら、1,000円払わなければいけないと言われたというような経験はないですか?
山崎:
ありました。(笑)
「studio-L」と言って、持ってきてもらえると思ったら、持ってくることもしないで、やっぱりカタログは有料です、と言われました。
平沼:
だから、独立される方はきっと分かりやすい名前の方がお金がかからなくて済むので参考にしておいてください。

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